幌延の深地層研究センター「NO! 核のゴミ」フランスも

2015年6月1日、札幌市で、高レベル放射し廃棄物の最終処分についての説明会が、道内自治体向けに非公開で行われました。
この説明会には、「深地層研究センター」のある幌延町からも参加があったとのこと。

会議の会場では、市民団体が抗議活動を行ったそうです。

北海道・幌延町の「深地層研究センター」がなし崩し的に最終処分場になるのではないか?

そうした懸念は以前からあり、昨年2014日2月3日は東京で「NO! 核のゴミ 高レベル放射性廃棄物の最終処分を考える東京集会」が開催されました。

「深地層研究センター」がある北海道幌延町から、平和運動フォーラム幌延現地監視委員会の本田さんと、核廃棄物施設誘致に反対する道北連絡会の久世薫嗣さんが現地報告を行いました。

北海道以外の人の98%が、幌延町に核廃棄物地下貯蔵施設の研究センターがあることを知らないと聞き、驚いてしまった。

酪農を営む久世さんは、交付金について触れ、「この地域の基幹産業は農業。農業からさまざまな仕事が生まれる。牛を飼えば餌を供給する人や牛の爪を切る削蹄師、トラクターを使えば修理する人、牛乳を搾ればそれを加工する人。こうして日本の産業はなりたってきた」と。

こうした人間らしい生活を奪うのが原発。都会の生活を便利にするために。

フランスのビュールでも、核のゴミを地下深くに埋める地層処分に反対する活動がつづいています。

放射性廃棄物”核のごみ”の地層処分場をめぐりフランスは
フランスでは、人口100人足らずの小村ビュールに建設予定の高レベル使用済み廃棄物の地層処分場の是非をめぐる公開討論会が2013年5月15日からはじまった。ビュールでの建設に反対する団体「Bure Zone Libre」のメンバー2人に話を聞いた。

今週日曜日(6月7日)には、ビュール研究所(ムーズ・オート=マルヌ地層研究所)をスタートし、地層最終処分場建設地一帯を人間の鎖でつなぐ抗議活動「100000 pas à Bure(ビュールへの10万歩)」を行うそうです。

以下、2014年2月に書いたものです。


北海道の豊かな放牧地が危ない!
幌延町が「核のゴミ」最終処分場の候補に?

~フランスでも過疎の村が狙われた!
地下貯蔵処分場建設が決まったビュール~

北海道・幌延町の「深地層研究センター」がなし崩し的に最終処分場になるのではないか?
そう懸念する声が聞かれる。
北海道以外の人でこのセンターについて知っているのは2%という。
地元の反対運動は小さく、「上関原発に反対する祝島のような外からの支援」が必要だ。
幌延で反対運動をする久世薫嗣さんは、人気のナチュラルチーズを製造・販売しており、この土地が放射能で汚染されることを危惧している。

幌延とそっくり同じ状況なのが、フランスの小さな村ビュール。国が地下貯蔵処分場の候補地をいくつか選定し、急激に過疎化が進むこの村が建設地に決まった。
地元の反対は小さいため、各地から人々が集まり、反対運動を繰り広げている。
ビュールは、シャンパンの産地シャンパーニュ地方にある。周辺の豊かな農地だけでなく、セーヌ川やその川が流れつくパリの貯水所の水も汚染されるのが心配される。

小泉純一郎元首相の発言を受け、高レベル放射性廃棄物の最終処分を巡る議論が加速している。
「核のゴミ」の選定方法は、これまで自治体が応募する方式だったが、国が候補地を選定する方式に切り替えることが正式に決まった。
そうしたなか、「候補地になるのではないか?」と懸念されているのが、核廃棄物の地下貯蔵に関する研究を行う「深地層研究センター」がある北海道・幌延町。
2000年に幌延町は「町内への核廃棄物持ち込みを認めない」条例を制定し、「研究のみ」の合意を得たが、それが反故にされる恐れもある。
しかし、核廃棄物最終処理場に反対する地元住民は多くない。過疎化や高齢化が進み、交付金を期待しているからだ。

1984年に貯蔵センターの計画が公表された当時は、大々的な反対運動が起こった。しかし、2000年に「研究のみ」の協定を結んでからは、この問題への関心が薄れ、反対運動もさほど盛り上がっていない。
反対運動をつづけていのは、「核廃棄物施設誘致に反対する道北連絡協議会」。この会の代表委員のひとり久世薫嗣さんは、ナチュラルチーズなどを製造・販売する工房レティエを営んでいる。放牧できる土地、を求めて、兵庫県から富岡町(幌延町と隣接)に移住した久世さんは、この土地が放射能で汚染されるのを危惧する。
幌延での反対運動は小さく、ネット環境を利用せず、地道に活動している。久世さんらは、「みなさんの援助を待っている」と言う。
これに応え、札幌の生活クラブの会員(女性)たちが毎年幌延に行き、地元住民宅を一軒一軒訪ね、反対を呼びかけている。

幌延町とそっくり同じようなことが、フランスの小さな村でも起きている。フランスの核廃棄物地下貯蔵処分場の建設予定地となっているビュールだ。この村は、フランス北東部、バル=ル=デュック県とサン=ディズィエ県の間に位置し、シャンパンの産地で知られるシャンパーニュ地方にある。
周辺は特に産業もなく、観光ビジネスからもはずれ、特に過疎化が進んでいる地区。
ZIRA(処分場の設置に向けて2009年12月にANDRA<放射性廃棄物管理機関>が政府に提案して詳細な調査が実施された区域)の4つの村の住民は、1k㎡あたり6人のみ。

1987年にはじまったフランスの地下貯蔵処分場建設の最初の試みは、住民の強い反対により失敗に終わり、ANDRAは予定にしていたすべての地区から撤退した。
しかし、政府はすぐに巻き返しを図り、「急速に過疎化が進むビュールしかない」と最終決定。ANDRAは誘致に成功する。
今、この地域は原子力関連施設の集中地帯になりつつある。

2005年、たった1年の調査でANDRAは、「ビュールの地層は数万年間、核廃棄物の放射能を含有できる」と結論づけた。そして、国民投票を拒否し、公開討論での住民の声は反映されず、2006年に「2015年までの調査」が決まり、その後施設の建設がはじまる予定。
2025年に最初の放射性廃棄物の容器が、100ヘクタールの広さの地下埋蔵所に保管されることになっている。
2013年に公開討論会が実施される予定だったが、抗議運動により数度中止になっている。
ここで建設反対運動を行っている団体のひとつが、2004年2月22日、15人の共同代表によって設立された「BURE ZONE LIBRE(ビュール地区の解放)」。この団体は、ビュール中心地の廃墟(600平方メートル)を購入・改築した「Maison de Bure(ビュールの核のゴミ箱に反対する家)」を拠点に、情報提供や、常設および特別展覧会、講演会、上映会、毎年9月にフェスティバルも開催し、抗議活動を行っている。

フランス・ビュールの"核のゴミ"最終処分場反対の闘い
フランスの核廃棄物地下埋蔵処理場の建設予定地となっているビュールは、シャンパンの産地で知られるシャンパーニュ地方の小さな町。処分場は2025年から操業を開始する予定だったが、住民らの反対で難航。"核のゴミ"処分場建設に抗議する団体を紹介。

(2015年6月2日)

フランスの”核のゴミ”はどこへ?深刻化する核廃棄物問題
毎年、フランスの58の原子炉から1200トンの使用済み核燃料が産出される。使用済み核燃料に加え、原子炉の閉鎖や解体から出た核廃棄物もある。あわせて、1000㎥の核のゴミがフランス国内に存在している。これらをどうすべきか、処理費用はいくらか。
フランスの研究者ラポンシュ氏が「核のゴミ」問題を語る
フランス原子力庁勤務した経歴のある科学者は、「MOXは核燃料のなかでもっとも危険な物質」「今のところ核廃棄物処理のいい解決方法はなく、地中に埋めるなどとんでもない方法。日本は特に、地震が起きたら、埋めた核燃料が上昇して地表に出てくる」と語る。

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