フランスの週刊紙『カナール・アンシェネ』の原発特集号(2011年10月)に掲載された記事の抄訳です。
タイトルは、「Poubelle la vie(一生のゴミ)」。
毎年、フランスの58の原子炉から1200トンの使用済み核燃料が産出される。
平均して14カ月おきに、各原子炉から核燃料の4分の1を空にする。この超高レベル放射性物質は、水深9メートルのプールで冷却される。プールで2年間貯蔵し、温度を下げ、放射線を減少させる。総放射線量は、原子炉から出した1ヵ月後に10分の1まで下がる。しかし、この放射性物質のなかには、半減期の長い、非常に危険なレベルの物質も含まれている。
使用済み核燃料に加え、原子炉の閉鎖や解体から出た核廃棄物もある。あわせて、1000㎥の核のゴミがフランス国内に存在している。
これらをどうすべきか、処理にどのぐらいの費用がかかるのか。それがわからないことが問題なのだ。
放射性物質をある場所から別の場所へ移動させる。以前は仕分けていたが、それは簡単な作業ではなかった。放射性廃棄物管理機関(ANDRA)は、放射線のレベルごとに仕分けしていた。
超低レベル放射性廃棄物のなかには、原子力施設の解体からでた物質がある。鉄くず、石くず、セメントなどである。ほとんど放射能は検出されないが、非常に半減期が長い核廃棄物は、オーブのモルヴィリエ貯蔵センターに蓄積されている。
低および中レベルで半減期が短い、つまり数千年から数万年の半減期の核廃棄物は、300年後まで放射線を出しつづける! これらのうちの3分の2はマンシュのディギュルヴィルの古い施設に、残りの3分の1はオーブのスーレーヌにおいてある。
2008年までに、それらの核廃棄物は80万㎥近くを占めるまでになった。放射性廃棄物管理機関は、今後20年でその量は2倍になると見積もっている。こうした核廃棄物は、放射性物質に触れて汚染された技術廃棄物(手袋、作業服、道具など)である。
放射線の危険が失せるのに数千年から数万年かかる、半減期の長い低レベル廃棄物は、昔の製品から生じる。ラジウム噴水、腕時計、避雷針、火災探知機のような、第一次および第二次大戦の間に製造された放射性製品がそうである。
このカテゴリーには、最新技術製品(携帯電話、iPadなど)の製造で必要なレアメタルの開発から出た廃棄物も含む。radifèresと黒鉛もそうである。radifèresは、放射線を少し含む鉱物の使用により産出される。黒鉛は、現在は停止して解体中の第一次世代原発から出る。これらの廃棄物の解決策は存在せず、製造した場所に貯蔵されている。
核廃棄物貯蔵センターを建設するのに理想的な場所を探すために、3000の自治体に相談しているが、どこも建設してほしくない! アレバも放射性廃棄物管理機関も反論しない。放射性廃棄物管理機関のミッシェル・デュゼール副所長は、それがさっぱりわからない。「この資料によると、自治体内部からの暴力的な反対があった。そうした考えを抑えるために、我々はうまく対応したが、知事たちは、反原発運動のイデオロギーに影響されたままになっている。とにかく、賛成か反対か、解決策を見出さなければならない」 選択の難しさが目に浮かぶ。
半減期が長い中レベル核廃棄物は、数万年から数百年にわたって危険がつづく。これらは、原子炉の使用済み核燃料の扱い作業によって出る。放射線レベルと半減期の長さから、これらの核廃棄物は、ムーズ県のビュールに送られ、500メートルの地下最終埋蔵に貯蔵される。この施設の建設が確定する-2015年ごろ―と仮定した場合、地下埋蔵管理は2125年までつづく。それを待ちながら、ラ・アーグとマルクールの原子力施設や工場の横に、核廃棄物は保管さている。2008年でその量は4万㎥以上になった。今後20年で1万㎥増えるだろう。
高レベル核廃棄物は、少量(産業廃棄物のうち0.2%)ではあるが、それだけで、全放射線量の95%にも上る。核分裂物質を含む核廃棄物は、使用済み核燃料中の核分裂で産出されたもの(核反応の「灰」)である。2008年は2000㎥以上あり、2030年までには3000㎥以上になる。これらの核廃棄物の恐ろしく超危険で、数万から数百年の間、その危険性がつづく。
(2013年12月13日)