90年代にロンドンの戦争博物館を見学したときの記憶

日本には国立の戦争博物館がないという話を聞き、昔、ロンドンの戦争博物館について書いたことを思い出しました。

“戦争”は嫌いなので、この手の博物館は避けていたのですが、パリとソウルの戦争博物館は友人に誘われて行きました。

ソウルでは米兵がたくさん見学に来ていたのが印象的でした。

最初に訪れたロンドンの戦争博物館では、広島原爆の展示コーナーに展示してあった、変形した「飯ごう」がいちばん記憶に残っています。

以下、『UKういーくりー』1993年8月12~17日号の記事です。

8月15日は終戦記念日。戦争は過去のことと片付けがちな日本人が多いが、旧ユーゴスラビア紛争をはじめ、現在でも戦争は続いている。戦争博物館は、戦争の残虐さと平和の大切さを、見て触れて体験しながら確認できる博物館だ。

開館は第一次世界大戦後の1920年。1936年に現在の場所に移され、第二次世界大戦中1940~46年の休館後、再び開館。その後、1986年に大改装し、ニューオープンした。

入るとすぐ、実際戦争で使用しされた戦闘機やミサイルなどが展示されている大ギャラリー。

地階は第一、第二世界大戦に関するメイン展示室になっている。武器や軍服、当時の生活用品など、年代やテーマによって展示。広島原爆のコーナーもある。
フォークランド戦争に関する展示室や、2つの大戦中に描かれた絵画を展示したアートギャラリーなども。

また、1916年のソンム川前線の塹壕(ざんごう)や第二次世界大戦時に空襲で被害を受けたロンドンのストリートが再現されており、実際に歩いて通ることができる。照明、音響、匂いなど当時のままで、緊迫した生活を体験することができる。
そのほか、戦闘機の航空体験ができるコーナーもある。

10月15日までは戦中のロマンスをテーマにした「FORCES SWEET-HEART」を開催。ラブレターやウエディングドレスなど、悲惨な戦争の中でのひとときの幸福に感動するだろう。

また、子供向け特別イベントも開催されている。
8月29日までは、第二次世界大戦時の占領下のヨーロッパからの脱出を体験できる「エスケープ・ルート」、9月12日までは大戦中のおもちゃの展示会を開催。
戦争博物館では、親子連れはもちろん、孫を連れた高齢者の姿も多く見かける。博物館の見学は、戦争を知らない世代へ、戦争について語り伝えるに機会になるだろう。

(2013年8月17日)

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