偶然なのでしょうが、地震の起きた3月11日、フランスのネットマガジンbasta!に、「原発停止訴訟で敗訴」の記事が掲載されていました。
あまりのタイミングに、背筋が寒くなりました。
危険にもかかわらず、運転を継続することになった最古参の原発
執筆:Sophie Chapelle
フランスで最も古い原発は閉鎖されないことになった。ストラスブールの行政司法裁判所は、3月9日、バ=ラン県のフェッサンエイム原発の閉鎖要求を棄却した。この要求の原告は、市民団体グループと、スイス・ドイツ・フランスの地方自治体。施設の速やかな停止と終了の要求が環境大臣に却下された後、原告は2008年12月に行政司法に審理をゆだねていた。1977年に運転を開始したファッサンエイム原発は、地震と洪水の危険にさらされつづけてきた。さらに、他の原発の平均よりも事故が多く、放射線排出物の河川への投機もしている。
水曜日、裁判長は、フランスの原発を統轄する原子力安全局の意見に準拠し、反対議論を棄却した。このところ多発する事故は、「安全性の観点から、何の正当性も重要性も」ないと強調。市民団体グループの弁護士で、欧州委員会議員のコリーヌ・ルパージュさんは、「原発の不正行為」に関して、ごくわずかな希望を見出すことができた。裁判長は、フェッサンエイムが1992年施行の水に関する法律の指示に反していることを認めたからだ。しかし、それが原因とされる汚染や危険に関連する要素を原告は何も提示していない、と裁判長はみなした。
25年以上運転している34の原子炉で大量の異常が見つかった後ということもあり、この判決で、脱原発ネットワークの警戒はここ数週間で増加した。「900MW原子炉のすべてで、一次回路から重要な漏れがある場合、ホウ酸水注入回路では炉心溶融を避けることができないだろう」とネットワークは告発している。それでも、フェッサンエイム原発の停止まではまだ待たなければならない。コリーヌ・ルパージュさんは、原告の了解をえた上で控訴する予定で、4月2日から26日に開催されるチェルノブイリ事故25周年イベントで1週間のデモを計画している。