フランスの原発労働者2,606人が過剰被ばく

2016年9月6日にIRSN(フランス放射線防護原子力安全研究所)が原子力産業で働く労働者の被ばくに関する報告書を発表した。

それによると、2015年に放射線量測定を受けた365,830人の労働者のうち、核物質を使用する労働者(ウラン濃縮工場、核燃料製造、原子力発電所、燃料取り出し、解体作業、核廃棄物)の2,606人が年5m㏜以上の被ばく線量で、14,138人が1m㏜以上が被ばく線量だったという。

過剰被ばく労働者が多い上位企業は、アレバとフランス電力公社である。

被ばく線量は20m㏜以上だった労働者は2人おり、アレバの労働者が20m㏜を1.1m㏜上回り、フランス電力公社の労働者が3m㏜上回っていた。
別の1人は500m㏜以上の被ばく線量だった。
原子力産業で働く人の年間の被ばく線量は1m㏜に制限されている。

原子力産業で直接もしくは間接的に働く人の30%が、平均の1.17m㏜~1.38m㏜以上の被ばく線量だった。

集団積算線量は、2014年の56.3人シーベルトに対し、2015年は61.9人シーベルトと増加している。

IRSNの報告書PDFはこちら(フランス語で、130ページのボリュームです)

(2016年9月29日)

フランスの被ばく労働の現状を語る原発下請け労働者
1990年以降、原発で働く人の8割が下請け労働者という。下請けは7次まで存在し、親事業者のフランス電力公社(EDF)は、何次請けの下請け企業に仕事を依頼してるのか知らず、労働事故、被ばくによる将来的な病気に対して、責任をとる者がいない。

VIDEO「フランスの原子力から考える<汚染・解体・下請け労働>」

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