フランスの被ばく労働の現状を語る原発下請け労働者

フランスの原発で働いていた下請け労働者が、被ばく労働について語った証言を紹介します。1990年以降、原発で働く人の8割が下請け労働者とのこと。

2012年にフランスの原発および核施設が密集するアビニョンで脱原発集会があり、そのときにビデオで発言した方のお話です。

こちらのビデオ「フランスの原子力から考える<汚染・解体・下請け労働>の5分53秒からがフィリップ・ビラールさんの証言です。
それに続き、フランスの核物理学者ベルナール・ラポンシュ氏が被ばく労働の危険性を語っています。

VIDEO「フランスの原子力から考える<汚染・解体・下請け労働>」

以下、ビラールさんの証言。

1990年以前、下請け作業員は20%でしたが、今は8割を占めています。

元請け業者は、仕事によっては自分たちも下請けになるわけで、だから、下請けが多くなるのです。
下請けは、7次まで存在します。

フランス電力公社(EDF)は、何次請けの下請け企業に仕事を依頼してるのか、わかっていません。

EDFの正社員は、どのよう作業が行われているのか知りません。社員は一度も現場に行ったことがなく、どうなっているのか知りません。
以前はそうではありませんでした。
私は働いていた1985年から1995年までは、社員と作業員が知識を共有し、一緒に原子力の仕事をしていました。

今は、原発の仕事において、何の改善もなされていません。社員は失敗をしたくないのです。肉体的にも精神的にも。

事故、労働事故、そして被ばく労働による将来的な病気に対して、責任をとる者がいません。
EDFは、事故や病気に対して刑事責任があります。
事故や病気は過去にもあったし、今後もあるでしょう。でも、下請け労働者の自己責任といわれ、特に裁判になりません。

非常に多くのことが変わってしまいました。
社員の不安定さ。仕事の不安定さ。

下請けレベルの企業では、正社員と同じ教育を受けさせません。
下請け企業は60時間の教育を義務づけられていますが、コストを下げ、多く儲けるために、それをしません。

また、ベルナール・ラポンシュ氏も、原発労働の問題を指摘し、「マルクールやラ・アークは核燃料再処理工場があり、そこでの仕事は非常に危険です。多くの労働者は下請け作業員であるため、以前より危険になっていると思います」とおっしゃっています。

60年代にフランス原子力庁(CEA)に入社したラポンシュ氏は、労働組合が1975年に刊行した「L’Electronucléaire en France」の執筆にたずさわり、被ばく労働の現実を知って以来、原発反対を訴えています。
この本はその当時としては珍しく、原発の危険性について書かれており、かなり話題になったそうです。1980年に「Le dossier électronucléaire」というタイトルで再版されています。

ラポンシュさんのお話はこちらです。

フランスの研究者ラポンシュ氏が「核のゴミ」問題を語る
フランス原子力庁勤務した経歴のある科学者は、「MOXは核燃料のなかでもっとも危険な物質」「今のところ核廃棄物処理のいい解決方法はなく、地中に埋めるなどとんでもない方法。日本は特に、地震が起きたら、埋めた核燃料が上昇して地表に出てくる」と語る。

 

日本では現在、札幌と東京で、福島第一原発事故後に現場で働いた元原発労働者が、被ばく労働の責任を追求する裁判を起こしています。

札幌の方は、福島第一原発で働いた後、3つのがんを患い、労災が認定されなかったため、労災不支給処分取り消しを求めて札幌地裁に提訴しました。

元原発作業員訴訟
「元原発作業員訴訟」の記事一覧です。

東京では、骨髄性白血病を発症して労災認定を受けた”あらかぶ”さんが、東京電力と九州電力を相手に損害賠償を求める裁判を起こしました。
9月24日に第13回口頭弁論が行われました。

(2019年10月8日)

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