3.11にフランス脱原発めざし6万人の「人間の鎖」

『ビッグイシュー日本版』「世界短信」2012年4月15日に掲載された記事です。

福島第一原発事故から1年の3月11日の午後、フランス南部で大規模な「人間の鎖」が実施され、約6万人が参加した。

フランス各地から貸し切りバスが運行し、ドイツ、スイス、ベルギーからも多くの人が集まった。

フランスの脱原発派の声:アヴィニョン"人間の鎖"発起人
2012年3月11日のリヨン~アビニョンの「人間の鎖」発起人のひとりジャン=ピエール・セルヴァンテスに話を聞いた。「福島原発の1週間後に人間の鎖はじめ、1年間やってきた。最初は150人だったが、次第に増えて1000人が参加するようになった」

手と手で、もしくは「人間の鎖」と書かれたオリジナルのリボンでつないだ距離は、リヨンとアヴィニョンを走る国道7号線の230キロメートル。ここは原子力施設集中地帯で、この地域を流れるローヌ川沿いには、14基の原子炉が存在する。

MOX燃料製造工場を有するマルクール原子力施設から30キロ圏内のアヴィニョンでは、南仏特有のミストラルが吹くなか、11時半から「人間の鎖」の準備が始まった。

「アヴィニョンでは福島事故の直後から、月1回、『人間の鎖』を行ってきました。150人だった参加者がやるごとに増え、1000人に。そこで、アヴィニョンからリヨンまでつなげてみよう、と考えたのです」とジャン=ピエール・セルヴァンテスさん。

この日、アヴィニョン地区の参加者は主催者発表で5600人。

脱原発の世論がなかなか高まらないフランスだが、史上最大の脱原発デモとなり、その様子は各メディアで報道された。

 

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