2011年9月12日のメディアパルトの記事より。
9月12日正午少し前に起きた炉の爆発で、核廃棄物処理工場Centracoの正社員1人が死亡し、4人負傷、そのうち1人は重傷だった。Centraco工場は、ガール県のマルクール原子力施設に近いコドレ町に位置し、フランス電力の子会社Socodeiが運営する。従業員350人で、そのうち派遣労働者160人のこの工場は、低レベル核廃棄物処理を行っている。
ここで処理されるのはおそらく、弁やポンプ、工具といった金属か、たとえば手袋や作業服などの燃料物質にかかわるものと思われる。Centracoでは、廃棄物の量を減らし、可能であればリサイクルし、小包の形に包装する。小包にされた廃棄物はその後、ANDRA(国立核廃棄物管理機関)で取り扱われる。
燃料廃棄物は、一般の焼却炉に似てはいるものの、原子力産業に適合させた焼却炉だ。金属廃棄物は、1300~1600℃の誘導電動炉で溶解させる。
原子力安全当局(ASN)によると、爆発したのは、金属廃棄物を溶かす予定の炉で、爆発の理由はわかっていない。フランス電力によると、爆発が火災を引き起こしたが、火は消し止められた。
内緊急計画(PUI)が開始されたが、原子力安全当局によると、施設外部への放射能の漏れはなかった。フランス放射能防護原子力安全研究所(IRSN)はすぐに、施設周辺の放射能線量の状況を調査するため、測量計を携帯して現地にとんだ。測量の結果は9月12日月曜日の夜にわかるはずである。一方で、市民団体CRIIRADはその地方のモニターポストを確認したが、月曜の午後の段階で放射線は検出されなかった。原子力当局は、午後に危機対策組織を解散した。
測量の最終結果で、かなりの放射能漏れが確認されたら不思議なことだ。事故はむしろ、「一般的な」工業事故として登録されるようである。だからといって、重大さが軽減されたわけでは全くない。これまでも、Centraco工場は、安全教育と設備管理維持に関して、非難されていなかったわけではないようだ。
工場は、「原子力の見張り番」である原子力安全当局から何度も警告を受けている。2011年5月25日、火災報知器のテストを試みたとき、機能不全により焼却部門の火災警報器の喪失を引き起こした。この事件は、INESの原子力事象の重大度レベル1とみなされた。
2010年8月15日、電力供給の欠陥で、化学物質含有ガスの漏れを制御するシステムが停止した。この事故もレベル1とみなされた。2008年11月26日、火災報知器の半年ごとの点検を怠っているのが、内部監視官によって明らかにされた。これもまた、レベル1の事象とみなされた。そして、2005年10月7日、火災のリスクを調査する大がかりな抜き打ち検査で、さまざまな「異常」と「目立った逸脱」が確認された。火災時に防火スタッフが使う放射線量計の数々の不具合、自動火災報知器が備えつけていない保管庫、溶接部署の隣の可燃性液体の存在など。
もちろん、これらの異常は基本的には取り除かれた。そして、2008年、2010年、2011念の火事は、たぶん、9月12日の事故とは何の関係もないだろう。それでも、Centracoの火災に対する安全性に欠落があることを表しているといえる。