フランスの脱原発ネットワークのHPから

875の団体が参加するフランスの“脱原発”ネットワーク(Réseau “Sortir du nucléaire”)のHPの一部を紹介します。
原発事故の状況は、新聞や通信社などの記事から構成されています。
フランス人はマスメディアをあまり信用しない、と書いたのですが、ここの記事も、フランスのマスメディアからは、AFP通信とRLTのみ。
アメリカのメディアが多く用いられていますが、そうであれば歪曲も考えられ、それはそれで問題がありそうです。
海外の情報をどう伝え、どう収集するか。大きな課題です。

このページの最後には、11人のスポークスマンの連絡先が記され、次のような一文が添えてあります。
「脱原発ネットワークの11人のスポークスマンは取材に応じます。なるべく各自の携帯に電話をしないで、ネットワークの固定電話に連絡をお願いします。緊急事態ですので、ご理解ください。ジャーナリストが十分に情報を手に入れ、その情報を伝えることが最も重要です」

以下、“脱原発”ネットワークの「日本の大規模原発災害

Rassemblement unitaire dimanche 20 mars à Paris
Le Réseau "Sortir du nucléaire" coordonne un rassemblement unitaire aux cotés de 36 organisations nationales, ce dimanche 20 mars à 15 h à Paris devant l’Assemb...

3月20日15時からパリの国民議会前で集会を行います。
日本人犠牲者の追悼および原発の危険性を訴える集会に、たくさんの人が参加してください。

脱原発ネットワークでは、老朽化したフランスの16に原子炉を即刻停止し、脱原発に向けた計画を要求する声明を発表しました。

日本での原発の危機は、私たちがこれまで何度も恐れていたように、次第に大災害へ向って拡大している。今、私たちの心に浮かぶのは、この事故で犠牲になる人たち、そして、大災害を避けるために命を賭けて尽力している労働者たちのことだ。私たちはまた、長年、自国の原発計画の恐ろしい危険性を告発し、非常に困難な環境で警戒の業務に従事しつづけてきたエコロジスト団体や日本の反原発団体の友人たちとの連帯を表明したい。

原発事故の脅威は現在、福島第一原発の6つの原子炉へと拡大した。
脱原発ネットワークは、恐怖に怯えながら、原発の大災害の悪化と日本政府の無力さを認めた。

3月16日21時(フランス時間)時点での状況

3つの炉心の部分的な溶融、2つの使用済み核燃料の火災、5つの水素による爆発が、福島第一原発で起きた。3月11日の地震と津波以来、途方もない量の放射線が空中に放出した。4つの原子炉では、使用済み核燃料が環境に接触するだろう。

「スローモーションの悪夢だ」とマサチューセッツ工科大学のトーマス・ネフ博士が発表。(ロイター通信)

1号機原子炉の炉心は70%溶融。3月12日の水素爆弾に耐えた原子炉は、周辺の放射線を400mSv/時、12時間の被ばくで死に至る量まで一時的に増加した。炉心は一次回路への海水の注入で冷却。放射線を含む蒸気の放出はつねに起きている。

2号機原子炉の炉心は33%まで溶融。原子炉は3月15日の水素爆発に耐えた。炉心は一次回路への海水注入で冷却。2号機原子炉の一次回路は、日本当局によると、「それほど問題ではない」と言うが、放射線を含む蒸気は噴出。(ニューヨークタイムズ紙) 放射線を含む蒸気の放出はつねに起こっている。

3号機原子炉の炉心は何パーセント溶融しているかわからず。原子炉は3月13日の水素爆発に耐え、炉心は一次回路への海水注入で冷却。3号機原子炉のタンクは損傷に耐えたが、その重大さを無視された。日本政府は本日、そのことについて何度も説明を変えた。(ニューヨークタイムズ紙) にもかかわらず、政府は、プルトニウム燃料を収容している原子炉の冷却が最優先だと断言。プルトニウムは、これまでの燃料より不安定で反応しやすい。[Mox燃料は、フランスの原子力企業Arevaが生産した燃料](訳注:太文字は訳者) ヘリコプターが原子炉に向けて直接水をかけようとしたが、原子炉周辺の放射線量レベルが高すぎ、活動を断念した。(Today News) 放射線を含む蒸気は、3月16日10時(日本時間)に事故中の原子炉から噴出した。(共同通信)

3号機原子炉の使用済み核燃料プールの冷却装置に問題がある、とIAEA。使用済み核燃料プールの冷却装置の停止は、炉心の溶融のように大事故の原因になる。そして、環境への大量の放射線放出が行われる。[使用済み核燃料は無害物質ではない。放射線物質の燃えカスである。それが永久に冷却しなければ、溶解し、大量の放射線物質が放出する。例えば、停止して1ヶ月たった1300MWの原子炉は、残留出力が6MWもある] 事故を起こした原発の使用済み燃料プールは、原子炉の下に位置しており、炉心と違い、鋼鉄やセメントの層で保護されていない。つまり、水がなくなれば、高濃度の放射線を含む使用済み燃料が周囲に直接放出されるということである。(Broomberg)

福島第一原発の4号機、5号機、6号機原子炉は地震の間、停止していたため、原子炉の使用済み核燃料プールの水の冷却装置も機能せず、今度はそれらが、24時から深刻な問題になってきた。

3月15日と16日の2回の水素爆発のたびに、4号機原子炉の使用済み核燃料プールで火災が発生した。アメリカ原子力安全委員会の委員長によると、4号機原子炉プールには水が入っておらず、3月16日20時(フランス時間)に濃度の高い放射線の排出を引き起こした。(AFP通信) 東京電力は、燃料の分裂により原子炉が再燃焼し、巨大な放射線放出のリスクを無視できないと発表。(共同通信) 放射線物質の量が多すぎ、労働者は水を注入したくても近づくことができない。(共同通信) 放射線を含む蒸気の放出はつねに起きている。

3月15日、5号機原子炉の使用済み核燃料プールの水位が2mに低下。その理由は、使用済み核燃料の冷却装置の故障で、水温が上昇したため。(Bloomberg)

6号機原子炉の使用済み核燃料プールの水温も上昇。

日本原子力安全・保安院によると、3月16日10時40分(日本時間)の原発正門の放射線レベルは、10mSv/時に達したという。16時(日本時間)には1.5mSv/時に安定。その量は、自然に浴びる放射線レベルの1万倍に相当する。東京電力によると、月曜日、730から800人の作業員が福島第一原発から退去させられたという。兵士(訳注:自衛隊のこと)の数は増加し、施設で作業にあたっている。(ニューヨークタイムズ紙) 放射線量が増加し、さらなる作業員の退去となった。原発はコントロール不能になり、6つの原子炉におよぶ原発事故のリスクが拡大した。

原発から130km離れた場所でも放射能を検出。福島県は、3月16日8時(日本時間)、福島市の水道からヨードとセシウムが発見されたと発表。3月15日、福島第一原発から8km離れた浪江町では、いつもの6600倍の放射線が測定された。水曜の朝、震源地から南へ130kmの茨城で測定された放射線レベルは、いつもの300倍だった。(RTL) アメリカ国防総省は、米軍兵士に対し、福島第一原発から80km以内への立ち入りを禁止した。(ニューヨークタイムズ紙)

 

フランスの脱原発ネットワークにお話をうかがいました
2011年10月、フランスの脱原発ネットワーク(Réseau Sortir du Nucléaire)にお話をうかがった。1987年のスーパーフェニックス廃止を機に、原発施設立地の団体、核廃棄物処理に反対する団体などをむすぶネットワークが設立。

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