「白人」への偏見を助長でマックCMに抗議の声

『週刊金曜日』「金曜アンテナ」2009年10月2日に掲載された記事です。

日本マクドナルドが8月から展開しているNIPPON ALL STARSキャンペーンのキャラクター「Mr. ジェームス」に対し、「偏見と固定観念に満ちたガイジン像」と在日外国人らが抗議している。

白人扮するMr. ジェームスは架空の人物で、「昔訪れた日本の魅力を忘れられず娘の留学についてきたオハイオ生まれの43歳」との設定。
バーガーを味わうために全国を回り、その様子を、カタカナとひらがなの奇妙な日本語で日々ブログにアップしている。

人種差別と指摘される点は、彼のカタカナ日本語と「元気なオタク」のイメージ。
NPO法人日本永住帰化移民住民協会の有道出人会長は、「外国人は日本語を話すことができない、という印象を強めるだけ。彼の外見も、日本在住の白人には恥ずかしいもの。努力して日本語を学び、長年ここに暮らしても、所詮”ガイジン”扱いしかされない。国際感覚があまりにも欠如し、子どもに与える影響も大きい」と憤慨する。

協会は8月20日、日本マクドナルド宛に、CM停止を求める”日本語”の抗議文を提出。5日後に広報担当者から届いた回答は”英文”で、「侮辱する意図はない」と弁明のみ。謝罪の言葉は一切なかった。

白人を笑いものにしても差別にはならない。日本人がこうした意識を持つ傾向は否めず、外国人の不満や意見になかなか耳を傾けようとしない。

「白人は日本で少数派。声を上げても、この国のメディアや人権団体からはほとんど無視される」と有道氏。

人種差別の定義が白人に適用されないのは、劣等感から脱しきれない白人への歪んだ感情の現れともいえる。
キャンペーンは現在も続行中だが、ネット上でMr. ジェームス反対運動は拡大中だ。

 

外国人を標的にした職質は人種差別 米国系日本人が道警に抗議文を提出『日刊ベリタ』6月28日

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