ゲルマン魂容赦なし ドイツ対サウジアラビア 2002

『北海道新聞』夕刊 「ビバ!サッカー」(2002年6月3日)に掲載された記事です。

歴史に残る、北海道でのワールドカップ第一戦。
試合開始前からウエイブが起こり、スタジアムは熱気ムンムン。
ピッチ上にいる選手たちは、生ですよ、生。テレビ画面ではなく、目の前で動いています。
ミーハ-にカメラ小僧になってしまいそう。
ドイツ対サウジアラビア戦は、ヴィジュアルを楽しむのではなく、武骨なぶつかり合いが見もの。
今宵は男のロマンに酔いしれることができるかしら…。
それにしても、身長の差がすごすぎる。
ドイツ選手は、サウジアラビア選手より頭一個分背が高いのです。
シークレットブーツをはいても追いつきそうにありません。
ダッシュしているのに、足長ドイツ人の一歩は大きい。大人に遊ばれている子供のようです。
体格だけでなく、国民性の違いもゲームに表れました。
きちょうめんでしっかり仕事をするドイツと、臨機応変が持ち味で個性的なサウジアラビア。
あまりにも対照的ですが、この試合では、ドイツの正確な速攻で、サウジアラビアはボロボロ。崩れっぱなし。
それにしても、ドイツは容赦ないですね。
これでもか!と、点を取りにいきます。
これがウワサのゲルマン魂? そんな冷酷な根性、私ならお断り。
仁王様顔のカーンもまゆなしヤンカーも、薄情者に見えてきた。
スタンドからは、「ドイツいじめっ子」の声も。
逆恨みだとわかっていても、そう思えてきてしまうのですよ。
サウジアラビアには、せめて一点取ってもらいたい…。
ああ、声援も空しくゲーム終了。勝負の世界は厳しい。
教訓。肉体的に不利な場合は、未熟な小技で立ち向かおうとしてもムダ。テクニックを極めるのが決め手。
これはサッカー以外でも使えそうです。よ~し、技を磨くぞ。
アジア代表、がんばろうよ!
新たなる希望に目覚めた札幌ドームの夜でした。

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