ヨーロッパでは家族が話題

先月1ヶ月間で、イギリスやフランスのメディアで“家族”が何度か特集されました。
「家族とは何か?」「新しい家族」といった、家族の価値を見直す内容がほとんどです。

フランスのある週刊誌でも家族特集をしていて、ローマのL’Espresso紙のフランス語訳が掲載されました。

そのなかに、日本を含む11カ国の出生率が載っていたのですが、日本(1.33人)より出生率が高いのは、フランス(1.88人)、アイルランド(1.97人)、イギリス(1.64人)、アメリカ(2.01人)です。後の6カ国は、ドイツ(1.31人)、スペイン(1.26人)、イタリア(1.26人)、ポーランド(1.24人)、チェコ(1.17人)、ロシア(1.32人)。

フランスで出生率が上がった理由は、フランスに移民してきた人たちが子沢山だから、という意見もあります。出生率のいいイギリスやアメリカも移民が多いので、それが影響しているのかもしれません。アイルランドはカトリックの教えで、中絶や避妊に否定的だからとも考えられます。

日本では、「出生率の低下」で、世の中終わってしまったかのように大騒ぎしていますが、他の先進国と比べて、特別ひどいわけではないのです。

少子化対策について、ヨーロッパ14カ国の3万人に聞いたところ、望んでいることは国によって違ったそうです。

西ヨーロッパでは、「経済的な援助と労働時間の改善を組み合わせた対策」が重要だとみています。
中央および東ヨーロッパでは、「安定した雇用と家庭生活の両立」が求められています。

子供が欲しくないというドイツ人やオランダ人は、「少子化対策の効果が不確かで、信用できない」と答えたそうです。

日本の場合、経済的援助が優先されていますが、格差社会となった今では、安定した雇用により力を入れるべきなのではないでしょうか。

(2006.08.07 10:38)

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