日本女性の意識は根本的にあまり変わっていない感じがします。
15年ほど前、低用量ピルの取材をしたことがあります。
その年、厚生省に低用量ピルの製造・輸入承認申請が提出され、「ピル解禁か」と話題になり、小さな記事を書くために、申請した企業に出向いたのです。
何を話したかは詳しく覚えていませんが、そのときの状況は今でも鮮明に思い出すことができます。
広い会議室で中年男性社員5人に囲まれ、避妊薬について話したからです。
仕事とはいえ、20代だったので、いやーな気持ちでした。
しかも、途中から男性社員から質問ぜめにあい、まるで面接試験状態。
彼らとしては、日本女性にピルを受け入れてもらおうと必死だったのでしょうが、息苦しい雰囲気でした。
低用量ピルという女性が主体の避妊薬なのに、あの場に女性社員がひとりもいなかったのも不自然です。
女性にかかわる重要でデリケートな問題が、男たちが勝手に決めているという印象も受けました。
それは、現在も同様で、会議の場面がテレビに映るたびに、ため息が出てしまいます。
15年前のあの一室のように、生真面目そうな男性ばかりが集まる会議。
不妊治療や育児問題といった話し合いでも、過半数以上が男性です。
そういう意味でも、日本はあまり変わっていません。
低用量ピルの認可は、結局、1999年まで延びましたが、フランスの記事の通り、浸透している様子はありません。
当時書いた低用量ピルの記事を読み返してみたら、「男任せにしていた避妊を、もっと女の立場から検討してみるにはよい機会だ。ほんとうのオンナの時代に一歩でも近づくために!」と書いてあり、今でもそっくりそのまま使えそうです。
同じページには、出生率低下の記事もあり、「女性を大切にしない社会」「仕事と育児の両立は困難」といった内容で、これもまた流用できるかもしれません。
インターネットで情報収集してみたところ、「婦人科には行きにくい」という女性が多いのですね。
15年前の取材で、私も「婦人科に行くのは抵抗あります」と答えました。
「どうしてですか?」と聞かれたときには、どうしてだかうまく返事ができませんでした。
婦人科へ行く後ろめたさ。その原因はどこにあるのでしょう?
(2005.07.21 01:04)