1990年代の日本の女の子:フランス女性誌の記事より

1999年にフランス版コスモポリタンに掲載された記事の抄訳です。
タイトルは、「集団で遊びたがる日本の女の子たち」。

※オリジナルのフランス語記事を紛失してしまったため、訳は完璧ではなく、わかりにくい部分があります。

日本では、プチ・コパンをボーイフレンド、恋人、または率直にセックスフレンドと言う。回りくどい手段はとらない。日本の女の子は自由だ。彼女たちの母親は、控えめ、保守的、密やかであることが求められていた。娘たちは、今、楽しむ権利を要求する。

「私と同じ年齢の女の子たちは、結婚前にたくさん遊ぶんです」

22歳のジュンコは語る。歪曲めいた言い訳。熱狂的な快楽主義の中、日本の女の子は、すべてに過剰に熱中する。彼女はネイルをしてもらい、アパレルショップを略奪し、クラブを攻略し、ばかげたガジェットに賭け、理想の王子様を探しながら、世界を駆け回る。

しかし、さらに悪いのは、彼女たちが数人で企てることである。少女たちは、男を求めて、グループで遊ぶ。

それぞれのグループには、呼び名がつけられている。デイブ<注:オリジナル紛失のため、スペル不明>、コギャル、原宿ベイビーズ、OL。それぞれの世代が、戦略、武器を持っている。年齢で分類されたグループは、部隊のように機能している。

1つ目の「デイブ」は、甘いものをなめまわし、オムツのような膨らんだスカートをはいているグループ。彼女たちは、13~16歳の中・高校生。

彼女たちのお姉さんが「コギャル」で、やせていて大きく、日焼けしていて、高校生の若々しい尊大な態度で、16~20歳の世界を支配している。

20~24歳を「原宿ベイビーズ」と呼ぶ。なぜなら、彼女たちは若いデザイナーが集中する原宿に生息するからである。

24~30歳は「OL」として大企業に就職している。ユニフォームのようなスーツとエナメルのバッグを持ったこの着飾った町娘だけには、サラリーマンの態度がいい。

この4つのグループは、共通点があり、多くの女性を代表している。生活の欲望である。

おこずかいをもらう年齢になると、日本の女の子たちはお金を使う。彼女たちがいなければ、国は経済危機から脱出できない。彼女たちのおこずかいは、レジャーや美容産業、旅行、食品と結びついている。

この分野の広告は、女性をテーマにしたものがほとんどだ。

「あなたらしくいなさい」「人生を楽しみなさい」

30年前、このようなスローガンは考えられなかった。

今も同様、「あなたは何をしたいのか?」と日本人の女の子に質問したら、彼女たちは戸惑う。自分を目立たせることになるからだ。「私」と言う言葉を知らない国で、彼女の私は、メンタリティを転覆させる。

若い女の子たちは普通、「女友だちと出かける」と答える。女友だちと一緒なのは、個人主義がいまだに見えていないからである。グループで楽しみを消費すること、これは、慣習に従うことのアリバイである。そうすれば、人はすべてを許されるのである。

日本の女の子は、すべてを許される。彼女たちは、月2万円を洋服に費やすことができる。たくさんの恋人の間をひらひら歩き、2年間外国で過ごしても、厳しく否定されることは決してない。パパとママは、費用を補うために、そこにいる。

日本のシステムの中では、女の子はしたいことができるという自由がある。なぜなら、女の子は、責任を持つ必要がないと思っているから。

「男の子は、いい学歴を手に入れ、仕事を見つけ、できるだけ早く家庭を持つことが要求される」と、26歳のトモコは言う。

もちろん、日本での男女の不平等は、彼女たちにとって優位に働いている。男の子は、競争に勝ち残り、一直線に学生からサラリーマンへと道が決まっている。

女の子は、学生時代を延長し、旅行し、外国語を習い、アートを学び、しっかり身を落ち着かせる。男の子より、クリエイティブで、独立していて、教養豊かである。彼女たちは、差別を有利に利用している。

問題は、日本の女性が遊びすぎることである。結果、彼女たちは、もはや結婚したがらない。

25~30歳の48%の女性が、独身で、できるだけ年貢の納め時を伸ばしている。結婚相手の不足により、30%の男性が、独身のままで残っている。

これはノーマルなことである。日本では、結婚は型にはまることを意味している。子供を作り、会社を辞める。税金の点からも、若い母親は仕事をしないよう止まらせている。寒々しい見通しの一種がこれである。

特に、彼女が純潔に罪悪感を伴うときがある。「結婚した私の友だちの中では、数年間セックスをしないと言う人が少なくありません。たくさんのカップルが、もはやセックスをしないんです」と、35歳のマリコは言う。

なぜか? サラリーマンは帰りが遅いからだ。彼らをセブンイレブン夫(7時に出かけて夜11時に帰る)と呼ぶ。妻と違って、彼らはプライベートより会社で過ごすことを条件とされる。したがって、日本の女性は一人でいることを好む。

そこで、彼女たちはどこかに「かっこいい」夫を探しに出かける。海外に旅立つ日本女性の数は、10年に2倍になった。

男の子にとって、これは辛いことである。彼らは、すでにかなりの劣等感を感じている。今、彼らは「男らしさの危機」に本当に陥っている。

この新しい世代にとって、唯一のセクシーなモデルは、ロンゲで目の大きい、中性的なロック歌手である。彼らの中でもっともかわいい、スマップの木村拓哉は、口紅の広告に起用されている。これには、不安が存在する。

日本の女性は、彼女たちは、マッチョにうんざりしているので、男らしい魅力の完全のモデルとして、女性的なものを押し付けている。男の子たちは、選択の余地がない。喜ばせるために、小さいサイズのTシャツと短いパンツをはいて、弱いスタイルを学ばなければならない。女の子たちは、内気で内向的なボーイフレンドを手に入れる。彼らは、取り扱われるままになる。

デイブ

彼女たちはピンクで、頬が丸々し、脚は短いが、社会に幅を利かせている。
デイブの日本人の女の子たちは、膨らんだワンピースと甘いものにお金を費やしている。
13~15歳の彼女たちは、すでにわがままに甘やかされている。母、父、祖母、祖父の4人から得たおこずかいは、経済的に彼女たちを安心させる。デイブは、買い物の女王である。
彼女たちを虜にするには、「もっちり」「ピュン・ピュン」と呼ぶ。
彼女たちが、ゆとりある市場を作り出したので、女性誌『Zipper』は、激化した喜びにアピールするように、「デイブを呼び覚ませ」という特別号を発行した。
青少年向けの漫画の多くには、バスト90センチのピンナップが紹介されている。
甘いものとジャンクフードの製造に関して、彼らは有頂天になっている。なぜなら、小さなプリンセスは、業界にとって豊富な赤ちゃんたちを癒しているからだ。
彼女たちは、スーパーマーケットのかわいい、ソフトな、甘いもので栄養補給している。食品では、デイブは、一般的な幼稚性の習慣を支配している。
ファッションでは、子供に戻っている。彼女たちの洋服は、祭りと子供向けアニメキャラクターをも彷彿させる。彼女たちは、ベビールームのノスタルジックな色、首に猫の鈴、時には、水鉄砲を身に付ける。
この世代は、時間が進まないよう、哺乳瓶と同様の思春期の状態にとどまるために、いつもたくさん、いつも素早く、買わなければならない。
「人は、私たちを赤ちゃんだと間違わないか? 赤ちゃんのままでいよう!」
彼女たちは、おおっぴらに、未熟さを要求する。
しかし、これはテロリズムの形である。彼女たちは、システムを批判するラディカルな方法で、馬鹿な女の子でいることを実行している。
白いガチョウのスタイルは、もし肥育が可能なら、彼女たちの開花の見通しを拒否する社会の中で、成長することへの絶対的に拒否、訴える権利のないことの結末である。

生息地:キディランド
好きなテレビ番組:ポンキッキ
好きな色:ピンク、白
好きなガジェット:リュックになったぬいぐるみ
ファッション:白いレースとリボンのついたミニのキュロット、大きなスカート、アゴの下の結び目、不器用で不自然な歩き方をさせるビーンシューズ
好きなアクセサリー:プラスティックかガラスのアクセサリー。バービー人形っぽい

コギャル

16~20歳、思春期。
日本では特に、最悪なのは、この娘たちを標的を射撃することである。彼女たちは、夢中になってそれを要求する中年男性の前で、ばかげた女のライバルとなっている。
彼女たちは、たくさんのパンツ、たくさんの気取り、たくさんのカラオケを求めている。
日本で理想的な女性は、ポップアイドルである。たくさんの若い女の子が、このモデルを真似ている。アイドルナンバーワンの安室奈美恵に似ようとしているため、彼女たちはコギャルと呼ばれている。
彼女たちを「馬鹿っぽい」「ぶりっ子」とも呼ぶ。ソフトな女の子だが、見た目を信用してはいけない。ヒヨコのような雰囲気の裏に、無邪気な偽物が、恐るべき略奪者として存在する。
合言葉は、「ビー・ワイルド&セクシー」愛読の雑誌『エッグ』のスローガンで、指令的なファッションを固定している。「ワイルド&セクシー」でいるために、日焼けし、茶髪にし、10センチの爪をブルーに塗り、安室奈美恵の超ミニスカートをはかなければならない。
学校が終わると、コギャルだけがする行動がある。プリーツスカートを捲り上げ、日焼けサロンへ行くために、ショッピングの場である渋谷へ急ぐ。夕方6時に殺到する。
コギャルは、お気に入りのアイドルのコピー、クローンの軍隊のように、歩道を占領する。彼女たちは、贅沢なバッグを下げ、携帯電話をもち(2つ)、アルバイトか、親父たちへの愛想で手に入れたおこずかいを手に入れる。
高校生の30%が、援助交際に参加している。彼女たちは、商業的女性らしさの早熟を確定することによって、解放されていく。
「30歳になったら、私は期限切れ。18歳の今を楽しむ」と、18歳のチカは言う。

生息地:渋谷、109の前
好きなテレビ番組:ビーチ・ボーイ、反町たかしが主演<
好きな色:日焼け色、茶髪
好きなガジェット:携帯電話
ファッション:ルーズソックス、セーラー服、超ミニ、白いコットンパンツ、胸が大きく見えるブラ
好きなアクセサリー:カルティエの指輪

原宿ベイビーズ

20~24歳の反逆の雰囲気をもつために、ミッキーの恋人のようなファッションか、アンドロイドのヒッピーのようなファッションをしなければならない。
漫画世代は、コスプレ、アニメのヒーローのような変装といった豊富な現象からインスピレーションを得る。
デザイナーの指令部である原宿では、表彰台と化した歩道が、実験的な靴底で歩く地球外の生物でいっぱいだ。異様なスペクタクル。
蛍光色の底靴の下駄靴、バービー人形のような変装服、爆竹のような髪型で、彼女たちはウインドーショッピングをしながら時間を過ごす。
それが400Fしたとしても。たとえ、闇市で、最初の値段の5倍で再び売られたとしても。
若い日本女性は、完全にファッションヴィクティムである。彼女たちにとって、大切なことはルックスなのである。ブランドの洋服を身につけ、激化したニンフたちは、征服への憎しみを確認する。これは、支配する成功のモデルへの憎しみでもある。
満ち足りた家庭で女の生涯を終えるために、サラリーマンに雇われること。彼女たちは、それを欲しいと思わない。
「私たちは、母親のようになりたくない」と、原宿ベイビーズは言う。不愉快さを表に出すために、彼女たちは、「母」を語るのに、「オバタリアン」という言葉を使う。母親は怪物である。母と戦うために、祭り、フィクション、夢に似た、将来のプリンセスのような変装をする。
日本女性のファッションは、完全に漫画世代からの脱走を必要としている。したがって、日本のプレタポルテの消費は、フランスの5倍である。人口は2倍であるのにかかわらず。
デザイナーは、明らかに喜んでいる。原宿ベイビーズは、彼女たちの洋服代を払うために、フリーターになる。親からのこずかいは、月末にへそくりとなる。

生息地:表参道
好きなテレビ番組:フジテレビのアニメ
好きな色:着物の鮮やかな色
好きなガジェット:蛍光の化粧品
ファッション:サイバーのTシャツ、無構造のパンツ、着物パンク、キットになったジャケット、ゲタ、木製の中国好きなアクセサリー:シンイチロー・アラカワのメタルの指輪

OL

彼女たちは、お茶を配り、いつも微笑んで、1日236回ぺこぺこし、会社の制服に身を包んでいる。しかし、間抜けな人形のような雰囲気の根底に、OLは日本の本当の力を代表している。
25~30歳の働く女性の800万人は、実家に住んでいて、すべての支出(約24万円)をレジャーに使うため、経済の力を持っているのだ。これは、財産とサービスの生産者の主要ターゲットである。特に、海外旅行、クラブ、テクノロジーのガジェットの主要消費者である。
幸福な流れの中で、OLは中心ポイントとなっているが、終わりの期日は近づいていると言わなければならない。30歳が、夫を見つける最後のリミットだと考えられているからだ。
この問題に関して、発行部数の多い雑誌が、少なくとも15は存在し、「どうやって弁護士や医者と結婚するか」と言ったノウハウが紹介されている。日本女性にとっての理想は、「家付き、カー付き、ババア抜き」である。
貴重な夫を見つけるために、この小さなヴァンプは、何事にもたじろかない。尊敬する彼女たちの友であるサラリーマンと出会うために、パーティをたくさん開催し、情勢を確かめる。
結婚を宣言する前に、速く速く、と彼女たちは楽しむことを急ぐ。楽しまなければならない。
独身は、ハワイで楽しいときを過ごすために役立つ。贅沢なブティックとジゴロ。ハワイでは、OLは「まぐろ」と呼ばれている。彼女たちを釣るのは簡単だからだ。また、「イエローキャブ」とも呼ぶ。手を上げれば、すぐとまってくれるから。夢見ごこちで東京へ戻ったOLは、かわりばえのしない生活を繰り返す。ショッピング(40%)、旅行(30%)、女友達との長電話(31%)。

生息地:銀座
好きなテレビ番組:スマップスマップ
好きな色:パステル、ニュートラル、上品でお嬢さんに見える色
好きなガジェット:体温計(ピルを飲まないので、避妊は荻野式)
ファッション:会社の制服、アニエスBの地味なワンピース、グッチのスーツ、ヴィトンのバッグ、プラダの靴、乳首を隠すためのパット入りブラ
好きなアクセサリー:金のネックレスと指輪

フランス人がイメージする日本の女性たちとは
1999年に書いたものです。 外国人に日本の女性像について問われ、答えに困った経験を持つ人はいないだろうか。 優しい、穏やか、慎ましい、内気??? ”若い”女性に限定すれば、フランス人がイメージする、小津・溝口映画の原節子や田中...
日本は世界一中絶が多い国? フランスの雑誌記事より
日本でピルが解禁された当時(1999年)、フランスの雑誌でその状況が取り上げられました。特に、中絶については、痛烈に批判しています。以前も少し書きましたが、中絶に対して、西欧と日本には大きな考え方の差があるようです。1999年の記事の抄訳です。
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