やっと実現しそうな“ピル解禁”女性の活躍が避妊を変える

『サリダ』1990年9月14日号に掲載された記事です。

やっと実現しそうな“ピル解禁”

産む、産まない…。

妊娠は働く女性にとって避けては通れない決断。

仕事が絶好調、これから!というときに予定外の妊娠で仕事の中断etc…これは決して他人事ではない。

「ピル解禁」のニュースが初めて日本で流れたのは1986年。

厚生省の研究機関が「ホルモン含有量の少ない低用量ピルの導入」に関するガイドラインを発表。
事実上、ピルが実用化される見通しに。

そして4年、そのガイドラインに沿って臨床試験を積み重ね、今年7月、3社から厚生省に低用量ピルの製造・輸入承認申請が提出された。

今回申請を出した日本オルガノン社は、産婦人科向け医薬に力を入れている。

1990年の避妊薬解禁の取材
日本女性の意識は根本的にあまり変わっていない感じがします。 15年ほど前、低用量ピルの取材をしたことがあります。 その年、厚生省に低用量ピルの製造・輸入承認申請が提出され、「ピル解禁か」と話題になり、小さな記事を書くために、申請...

「母体であるオランダから各国が低用量ピルを輸入しています。なぜ日本だけが?という疑問はありました。ピルが解禁されることで、避妊の選択の幅が広がるでしょう」

ピルは1960年代にアメリカで認可されて以来、全世界に普及していった。

その後、副作用を避けるため、ホルモン含有量を少なくして効果のある低用量ピルが開発され、現在では主流になっている。

厚生省がやっと重い腰をあげたのは、男女雇用機会均等法が施行された年。

女性の社会進出に伴って、日本でもやっと“女性が主体的に関わる避妊のあり方”を考え始めたようだ。

それにしても、時間がかかりすぎたのはなぜか?

一番心配されていたのは安全性の問題だという。

しかし、やはりそれだけではないだろう。

1、2年後には、日本でも欧米なみにピルが市販され、避妊用に使うことができるようになる(もちろん医師の処方箋が必要)。

欧米の女性たちの生活にピルはすっかり定着している。

日本の女性がピルをどのように受け止めるのか?

男まかせにしていた避妊を、もっと女の立場から検討してみるにはよい機会だ。

ほんとうのオンナの時代に、一歩でも近づくために!

 

1990年代の日本の女の子:フランス女性誌の記事より
1999年にフランス版コスモポリタンに掲載された記事の抄訳です。タイトルは、「集団で遊びたがる日本の女の子たち」。少女たちは、男を求めてグループで遊ぶ。デイブ、コギャル、原宿ベービーズ、OL。年齢で分類されたグループは、部隊のように機能している。
日本は世界一中絶が多い国? フランスの雑誌記事より
日本でピルが解禁された当時(1999年)、フランスの雑誌でその状況が取り上げられました。特に、中絶については、痛烈に批判しています。以前も少し書きましたが、中絶に対して、西欧と日本には大きな考え方の差があるようです。1999年の記事の抄訳です。
フランス5月革命から30年の女性解放:避妊と中絶
フランスの女性解放運動の出発点となった1968年5月革命。1998年の仏女性誌の特集記事を参考に、ピル(経口避妊薬)の解禁、人工妊娠中絶の合法化という女性の解放の過程を追った。フランスは同レベルだった日本だが、30年の無策で大差がついた。
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