2005年4月16日の朝日新聞で「出会いビジネス」の記事を見つけたのですが、たまたまフランスの資料があったので、比較してみました。
フランスでも独身者が社会問題化し、「出会いがない」と嘆く人が増加しています。
そのため、出会いビジネスが大盛況なのですが、その前に、フランス人と日本人の出会いの違いを探ります。
フランスでは、恋人を見つける場として、以前はダンスパーティや近所づきあいが多かったそうです。戦前は40%がこのパターン。
一方、日本は、記事に載っていた「結婚年次別、夫婦の出会いのきっかけ構成比(日本労働研究雑誌05年1月号から)」を引用しますが、54年以前(これが最も古い)で、見合い結婚が6割近い。
現在のフランスでは、1980年の調査によると、ダンスパーティや近所づきあいで交際が始まったと答えた人はほとんどいない。だからといって、スポーツ、映画やコンサートなどが決定的な新しい出会いの場になったかというと、そうとも言い切れない。
最も多い出会いの場は、階級により異なり、エリート層は大学や友人のパーティ、一般層は職場で、それぞれ12%。
バカンスでの出会いは5%、結婚相談所は1%。
その他として、フェスティバル、美術館、スーパーマーケット、バーなど。
日本は、00年以降、見合いは10%以下、友だち・兄弟を通じてが30%、学校10%、職場や仕事(アルバイト含む)40%、街中や旅先5%、サークル・クラブ・習い事3%、結婚相談所2%ぐらい?、その他の分が7%ぐらいいるので、数字は微妙に誤差がありますが、このような結果です。
フランス人は、最も多い出会いで12%。詳細はわかりませんが、彼らの出会いの多くが、日本人には少ない、街中(ようするにナンパです)や、サークル活動などの余暇(スポーツや映画、フェスティバル、美術館など)に分散されるのではないかと思います。
何が言いたいかというと、日本の場合、職場と答えている人が多いのに、実際には、仕事場で見つけられないという声も聞かれる。職場結婚は、90~94年をピークに、年々減っているので、職場で見つけられない人が増えているのは筋が通りますね。
だからといって、街中で声をかけたりかけられたりの出会いは少ない。となると、やはり出会いは限られ、フランス人の嘆き以上に、大きな嘆きとなるのもうなずけます。
非婚化が進む原因は、日本人が忙しすぎる、プライベートの時間を使うのが下手、なども関係してくるのでしょうか。街中でナンパはできなくても、スポーツやイベントなど、趣味が合いそうな場で出会えば、恋も芽生えそうですが。そんな暇がないのかもしれませんね。特に、男性は遊びが足りない気もします。
もうひとつ、日本人は、「結婚相手なら信用のできる人を」という警戒心も強いのかもしれません。「友人・きょうだいを通じて」が多かったので、そう推測してみました。
ちなみに、フランス人は警戒心は少ないのか、出会いの手段にこだわりません。
インターネットの出会いにも肯定的で、フランス男女の約400万人がインターネットでの出会いサイトに参加しているそうです。
(2005.04.25 02:31)