フランスのシングルマザー:母子家庭で注意すべきこと

母子家庭の割合が高いフランスでは、そのあり方に関する記事が少なくありません。
INSEE(国立統計経済研究所)の調査によると、1996年のフランスでの婚外出産は、全出産の40%を占めています。また、1994年の離婚は114000組。

フランス女性誌での精神科医クリスチーヌ・ブルネのインタビューより

母子家庭で注意すべきこと

一緒に寝たり、入浴はやめる。子供の前で、裸で歩くのは避けること。
過保護は禁物。子供が大きくなってからは特に。
自分の恋愛について語ってはいけない。子供に慰めてもらうのはもってのほか。
性的誘惑に結びつく行為を避ける。視線、口調、不健全な過度の接触(髪をかきわける、太ももに手をやるなど)を避ける。子供を恋人の代わりにしない。
男性と同居する場合は、子供の前でイチャついてはいけない。

率先してやるべきこと

男性のイメージを子供に植えつける。父親について話すよう努力する。
元夫の悪口は、ダメ男のレッテルを貼ることになるので、絶対止めること。
代父、叔父、家庭教師の学生など、周囲に男性がいる環境を子供に作る。
父親に会ってきた後に、限度を越えた質問をしない。
子供が話したがらないのに、「父親がどうだったか」と質問してはいけない。
友達の家に泊まらせたり、合宿に行かせたりする。
家以外の場所で、母親以外の人と楽しむ大切さを子供に教える。

どうやって義父を認めさせるか?

再婚する場合、まず子供を尊重しなければならない。
子供のトラウマを心配する前に、言うべきことは言っておくこと。
「彼(義父)はあなた(子供)の父親ではなく、愛すか愛さないかは、あなたが決めること。でも、ここは彼の家でもあるのだから、一緒に暮らさなければならない。この家での問題について、彼にも発言する権利を持っているの」
子供は、夜泣き、おねしょなどの暴力的行為で反抗するが、それに屈してはいけない。
子供は誰でも欲求不満を抱えて成長するのだから。子供の罪悪感を取り除いてあげること。
「おまえは僕のパパじゃない」と子供は言うだろうが、義父は、「全くその通り。僕は君の父ではないけど、ここは私の家で、君のお母さんの家でもある。規則を決めるのは私だ」と答えるようにする。
また、実の父親から、「義父を好きになってもいい」という許可を与えるのも大切。
実父と義父が尊重し合い、子供の前で握手するだけで、十分気持ちは伝わるはず。

フランスでも、母子家庭に対する偏見があるそうです。

母子家庭の母親は、世間から信用されず、レッテルを貼られるのが一般的だ。

両親がそろった子供が悪い成績だと、教師は理由は何かとあれこれ考える。しかし、母子家庭の場合、「勉強しないのは、父親がいないから」と片付けてしまう。

子供の成長には父親の存在が必要不可欠ではあるけれど…

父親不在は、子供に悪影響を与える。性のアイデンティティを形成する難しさ、恋愛が崩壊するイメージの植えつけ、社会生活と学校生活での問題などだ。

しかし、戦争未亡人の多くが育てた子供が、みんな犯罪者になったわけではない。
母子家庭は特殊な形であるが、欠陥とは必ずしもいえない

貧困や病気など問題を抱える場合は、父親不在の影響は大きいが、母親が十分エネルギッシュで、子供を早いうちから社会化できるなら、特別な問題はないだろう。

子供にとって必要なのは、男性の取り巻きを持ち、強い男性の基準を持たせることだ。親戚や友達、先生など、つねに子供が男性と接する環境を作ってあげることが大切だ。そして、過剰な関係で子供を疎外してはいけないことを母親が理解し、親戚を含む広範囲の親しい人々の助けを借り、交流関係を活発にするのが重要である。

がんばり過ぎは危険

女手ひとつを誇りにする気持ちはわかるが、全て一人でやろうとするのは危険。仕事と母親を両立させるのは厳しい。このような女性の多くが、外出できす、友人を作ったり、他の男性と出合うチャンスがない。そうすると、視野が狭くなり、愛情を子供に集中する恐れがある。

母親も自分の将来を夢見よう

人生は変化するものであり、母子家庭は永久の定めではない。明るい将来を夢見て、子供のためだけでなく、自分のためにも、長期的計画を立てるべきだ。

(2005.02.16 01:12)

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