フランス離婚事情:女性の苦しみと憂鬱

1990年代のフランスの女性誌で掲載された記事です。

恋愛は苦しみが伴い、捨てられたほうは苦しむ。恋愛感情は突然芽生えるが、長くは続かない。離婚をがまんする人ほど、苦しみも大きい。

一般的に、立場が弱いのは女性である。妻は、離婚により、夫に依存していた収入や人間関係の大部分を失う。自分の友人や仕事を持つ妻は回復が早いが、子供と夫が中心の狭いつきあいの場合、離婚直後のショックは大きい。自分が何者なのか、全くわからなくなってしまう。

離婚直後は、「彼はすばらしかった」「彼ほど素敵な人はいない」と、元夫を理想化する。次の段階で、「どうしてあんな男と一緒に暮らし、子供まで作ったのだろう」と、自問に変わる。

離婚すると、女性は落ち込み、現実を否定しようとする。特に、夫に裏切られた場合、「私と子供を捨てた」と愚痴り、夫への怒りを子供と共有しがちだ。

自分から離婚を望んだ場合も問題はある。縁を切れば自由になれると思っていても、物事はそんなに簡単ではない。思い描いていた離婚後の人生は、現実と大きなズレがあるのだ。

女性は、離婚で夫婦ゲンカの勝負がつくと勘違いしがちで、その後に直面する孤独や物質的および経済的問題を忘れてしまう。

新しい恋人ができて離婚する場合、幻滅を避けられない。その人との生活を夢見て離婚するのだが、愛は障害があるからこそ燃えるもの。自分の思い通りになると、愛が冷めることはよくある話しだ。

離婚を避けるアドバイスとしては、物質的にも、精神的にも、相手に頼り過ぎないこと。

夫婦は、それぞれの活動、趣味、仕事、収入、人間関係を持つのが理想的。仕事で充実している女性は、結婚が崩壊するリスクが少なく、離婚後も立ち直りが早い。

(2005.03.13 23:39)

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