不感症に陥る男性たち・フランスの場合

1990年代のフランス女性誌によると、性の悩みで診察に来る男性患者が、ここ数年20%ずつ増加しているそうです。

以下、抜粋です。

これからは、女性が男性の“弱さ”を理解してあげる時代。

70年代のフェミニズム運動で、男性の女性化が受け入れられるようになったが、その先の方向性を失った。

フランス5月革命から30年の女性解放:夫婦間の平等
フランスの女性解放運動の出発点となった1968年5月革命。1998年の仏女性誌の特集記事を参考に、ナポレオン法典の家父長制度を変更させ、夫婦間における平等を勝ち取る過程を追った。60年代時点では、日本の女性のほうが、夫婦の平等は保証されていた。

現代女性は、ベッドでセクシー、普段は優しい「男らしくても、マッチョではない男性」を求めている。20~25歳(現在45~50歳)の世代には自然のことだが、30~40代(現在55~65)の男性にとってはなかなか難しい条件。父親から教えられたマッチョ精神が、まだ抜け切れていないから。

女性は、男性の態度に不満を持ち、男性は「女がわからない」と言う。男女のコミュニケーションがうまくいっていない。

女性は、「男性の性はシンプル」だと思い、男性は「女性の性は複雑」だと考えている。

まず、男性の性に関する誤りを訂正するべき。「男性の性は機械的で、いつもスタンバイオーケー」と信じられているが、実際は、そう単純ではない。

専門家に相談する男性のパターンは、性の不一致は自分に問題があると考える人、また、恋人との初体験が不安な人が少なくない。

ある専門医によると、患者の年齢層は次第に若くなっている。3年前は患者の大半が40代(現65~75歳)だったが、現在では、3人に一人が20~30代(現45~65歳)の男性。この手の医師を尋ねるのは、もはや恥ではなくなった。友達同士や父・息子で電話番号を交換している。

患者は、「体の調子が悪い」と訴え、心理的な問題に目を向けない。循環機能の異常だと認めても、“自信”に関係しているとは思いたくないのだ。

しかし、回復可能だとわかる(90%のケース)と安心し、率直に個人的な悩みを話し始める。

男性は、パートナーの女性に悩みを打ち明けない。女性は、男性の複雑な心理を理解していないからだ。

女性を満足させられないと、激しい恐れを抱いている男性もいる。

このような不安は、機能を不全にするだけでなく、喜びを奪い、男性を不感症にさせる。

男性が喜びを感じないのは、心理的な面が大きく影響している。

不安を抱き、セックスをしながらも、二人の行為を冷静に眺め、感覚が体から完全に引き離されてしまう。これを「傍観者の愛人シンドローム」と呼ぶ。

「したくない」と言える男性はめったにいない。男性の多くが、男らしいイメージを壊してはいけない、無能と思われてはいけないという強迫観念や恐怖から逃れるためにベッドの上で演じているのだ。

壁を取り除き、恐怖を消せば、相手の声に耳を傾けることができる。その結果、女性もまた、相手と心からの融合できる。

昔の男は、女性を自分の好みに変えていったが、これから、女性が男性を理解し、追い詰めないようにする番だ。

セックスは自我の分かち合いであり、独りよがりでは、心からの融合は生まれない。

(2005.02.28 00:19)

「男らしさ」から解放された男たち ・フランスの場合
フランスでは「男は仕事、女は家庭」と主張する男性が消滅し、マッチョは崩壊したが、男女の力関係の変化に戸惑ってもいるとか。女性は勝利に微笑んでいるわけではない。男性たちが求めているのは、媚びる男ではなく、一緒に新しい関係を模索したいのです。
フランス男性が見た女性(2002)
女性誌DSが、2002年5月17・18日に18歳以上の男性480人を対象に行ったもの。 Le regard des hommes sur les femmes, TNS 女性のどこに惹かれるか 優しさ 48% 知性 45% ...
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