日本では、「仕事を持つ妻」に賛成が5割に達した(2005年)と喜んでいますが、半分は反対ってことだよね。
1995年ごろのフランスでは、24~34才の男性の80%が、「働く女性に好意的」でした。ちなみに、彼らは現在、50~60歳になってます。
つまり、幼い頃に「男は強い、泣くな」と教えられ、思春期にフェミニズム運動を目の当たりにした世代。学校でも職場でも、女性はすでに権力を手にいれ、積極的に生きる女性に慣れているのです。
「24~34才(現在、50~60歳)のフランス男性が最優先したいこと」を調査した結果、1位「カップルで仲良く暮らす」、2位「子を持ち、育児の時間を作る」。「仕事の成功」は3位。
「男は仕事、女は家庭」と主張する男性が消滅し、マッチョは崩壊したそうです。
ただし、男女の力関係の変化に戸惑ってもいるとか。
女性の社会進出に賛成しつつも、「女性にはかなわない」と認めるのが悔しい気もするのです。でも、時代には逆らえません。そこで、彼らは決心する。「優しくしよう。女はマッチョが嫌いなんだから…」と。
フランスでは、子供を欲しがる男性が増えているとも。
以前、「女は子を産む道具ではない」と主張するのは女性でしたが、今では、「男はただの“種”ではない」と抗議する男性が現れました。70年代のピルの解禁で、女性は産む産まないの決定権を手に入れた。でも、男性の意見も聞くべきだと訴えているのです。
現在65~75才ぐらいのフランス人は、フリーセックス世代で、男らしさを放棄。
60年代後半から70年代に青春を過ごした若者は、フェミニズムの影響で、強い男を演じる必要がなくなりました。「束縛されず楽しむ」自由を求め、家父長制度はガタガタと崩していったのです。
フランスのでも、自制と引退を心得た、責任感のある男性がいなくなったと嘆く声もあるそうです。
彼らは、 “永遠の子供”として人生を謳歌しています。見た目はイマイチでも、精神的にまだ若い。金もあるし、安定しているから、若い娘に評判がいい。
60年代後半から70年代に若者だった世代は、自分の欲望を最優先に考えます。セックスはしたいが、責任は取りたくない、と。
いつまでも若々しく生きるのは結構だが、50才で生まれた子供の将来はどうする?
団塊世代の子供たち(現在、45歳前後)は、“犠牲の世代”。
そんな親を見て育ったのが、「自由でありながら、いい父親になりたい」と考える若者たちで、不安に満ちた社会に、空しく投げ出されている状態です。
仕事がない、希望がない。抵抗してもムダだとあきらめ、無責任でエゴイスト。
自分が世界の中心だと思い込み、すぐ一人で突っ走ろうとする。
男性が威張る社会は崩壊したが、女性は勝利に微笑んでいるわけではない。男性たちが求めているのは、媚びる男ではなく、一緒に新しい関係を模索したいのです。
(2005.02.11. 00:54)