フランスの真似をして少子化対策といっても

日本の少子化対策は、フランスを参考にするらしい。
フランスでは、90年代なかばに出生率が最低に落ち込んだといいますが、当時、「出生率をアップさせよう」と躍起になっていたのか記憶はありません。
それよりも、「子どもを育てられる社会にするには何が必要か」が問われていた気がします。
日本とフランスの大きな違いは、男女の力関係と結婚や子どもに対する考え方です。
出生率が低下してい当時のフランスではすでに、子どもを持つ女性が働くのは普通でした。
女性の発言権はそれなりにあったし、「男性学」について議論が盛んでした。
事実婚が一般化していて、結婚との差がほとんどありませんでした。
男性は家事に参加していたし、ベビーシッターもよく利用されていました。
日本にはこうした土台がないため、フランスの真似をして資金投入したからといって同様の結果になるとは限らないのでは?

以前にも書きましたが、90年代なかごろ、女性誌(マリークレールだと思う)に「女性を愛する企業」という記事が掲載されました。

記事は次のようなリードではじまります。

アイロン係りや家政婦、託児所、スポーツジム、勤務時間の調整。女性に理解を示す企業がある。女性を十分に愛する企業は、女性を雇用し、教育し、昇進させる。今回の調査で、考えていたより多くの企業がそうしていることがわかった。女性が二重生活(訳注:仕事と家事)の危機と重圧のなかでも仕事にしがみつき、やる気があるのに報われないことを、こうした企業は理解しているともいえる。

(2007.04.18 12:24)

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