フランス出生率のからくり

出生率が下がる一方の日本では、フランスの出生率アップがたびたび話題になっています。
そこで、数人のフランス人に出生率についてたずねてみたところ、返ってくるのは、「フランス人が子供を産んでいるわけではない」という答え。
フランスの出生率を上げているのは、子沢山の伝統を持つ国から移住する人々が増えたおかげだという声も少なくありません。
それは大いにありえるので、フランスの出生率アップ情報を鵜呑みにするのは、短絡的かもしれません。
とにかく、日本は出生率にこだわりすぎるます。
そもそも、出生率など競うものでもないでしょうに。
フランス人が子供を産んでいないにしろ、フランスの育児対策が成功しているのは確かです。
養育費や託児所、その他、子供を育てる環境は着実に向上しています。
私の記憶が間違っていなければ、育児対策は、出生率を上げる目的というより、女性の社会進出に伴う変化に対応するためだったと思います。
もちろん、その根底には“出生率を上げる”のが目標だったのですが、それを前面に押し出してアピールしていたようには思いませんでした。
今の日本は、毎日毎日「出生率」という言葉を聞かされ、競争を強いられているかのようです。
出生率を上げたい理由は、労働人口、年金支払い者、高齢者を支える層を増やしたいだけ、とも受けとれます。
フランスで出生率が上がったのは、数合わせのための育児対策をしたからではなく、人々の要求に応えた結果なのだと思います。

(2006.06.17 18:50)

フランスの真似をして少子化対策といっても
日本の少子化対策は、フランスを参考にするらしい。 フランスでは、90年代なかばに出生率が最低に落ち込んだといいますが、当時、「出生率をアップさせよう」と躍起になっていたのか記憶はありません。 それよりも、「子どもを育てられる社会にするに...
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