「少子化は30年前から知っていた」とは

竹中総務相は、2006年1月22日の閣僚会議の後の記者会見で、「この人口減少社会は実は30年前からわかっていた」「しかし、残念ながら我々政治家、社会は有効な手段を準備できなかった」と。

竹中総務相の言葉に力が抜けました。
そんなに前からご存知でしたら、何とかしていただきたかったです。
スウェーデンの育児政策について書きましたが、国民の考え方を変えるまでにかなりの年月がかかっています。
出生率の数値はわかりませんが、同棲(事実婚)については、それが一般的な行動とみなされるようになるまでに15年ぐらい。
スウェーデン男性が初めて育児休暇をとったのが1979年で、その数が30%までに増えたのが20年後です。
長く地道な活動なくして、出生率の増加は実現しません。

30年前の自分を思い返してみました。
小学生の私が、少子化の心配などするわけがなく。
ホームドラマ全盛期、モーレツ・サラリーマンの時代、お父さんは仕事、お母さんは家事に、何の疑問も抱きませんでした。
子沢山でバリバリ働くという状況には現実味がなく、それを夢見た記憶もありません。
でも、あの頃から少しずつでも育児対策がとられていたら、今頃は少子化で大騒ぎすることがなかったかも。
65歳以上の高齢者の殺害事件が増加しているそうですが、高齢化問題もここまで深刻ではなかったかも。

「少子化は前から知っていたけどさ」とはまるで他人事のよう。
こうして、次の世代に負担を押しつけ、また30年、あっという間に経ってしまいそうです。

(2006.01.30 22:16)

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