モザイク家族のお正月

2006年も3日目に突入。
テレビだけ観て過ごしていると、毎日お正月番組ばかりで、世の中の出来事に鈍感になってしまいますが、これも平和ということでしょうか。
海外、といっても西欧ではクリスマスが重要で、お正月は元日に家族で食事をして終わり。
パリに住んでいたとき、一度だけ新年の食事会に参加させてもらったことがあるのですが、そのときの家族構成が、まさに現在のフランスを象徴しているようで印象深く心に残っています。
メンバーがあまりに複雑で、こんがらかるかもしれません。
友人Aは、ボーイフレンドBと同居中で、その家で食事会が行われました。
集まったのは、Aの母親、Aの従兄弟とその彼女(50代ぐらいのカップル、どちらも離婚経験者)、Aの二人の息子・兄20歳と、弟18歳、弟のガールフレンド(チャットで知り合ったばかり)、そして、Aの最初の夫(息子たちの父親)。
Aの元夫以外は顔見知りでしたが、息子・兄が、「ボクの父です」と紹介してくれたときには、少し引きつってしまいました。
食事より、それぞれの行動が気になって気になって。元夫はおとなしい男性で、小さくなっていたのですが、Aの母親は「Mon petit」(かわいい息子、ぐらいの意味)と呼び、つねに彼に気を使っていました。孫の父親であり、娘と離婚をしても、義理の母と息子という関係が壊れていないようでした。
そういえば、Aが2度目の結婚をしたとき、彼女たちの家で、元夫のご両親と食事をしたこともありました。Aもまた、息子の父方の祖父母である義理の両親との関係を切っていないのです。
この日の食事会はとても和やかで、家族のあり方について見直すよい機会となりました。
これほど複雑に絡み合っている家族なのに、みなそれぞれの領分でいい関係を維持している。このようなモザイク家族が、フランスでは増加しているそうです。
最も感心するのは、息子たちが全くすれていないところ。結局、家族というのは、形ではないような気がしてきます。大人たちが深い愛情をもって接することができるかで、子供たちの育ち方も変わってくるのではないでしょうか。形が整っていても、会話もなく、お互い考えていることがわからないようでは、家族と呼んでいいのかとさえ思ってしまいます。

(2006.01.03 00:58)

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