フランス国立人口問題研究所の「新しい家族の形」に関するシンポジウム(2000年)の資料にある、Olivia EKERT-JAFFE(国立人口問題研究所の研究員)「家族の変化がもたらす経済への影響」の発表で、日本と似た現象を発見しました。
「高学歴の女性は結婚相手を見つけられない」という記述です。
ほー、フランスでもそうだったんだ、と思ったのですが、ただ、そのような状況だったのは、ベビーブーマーの母親世代。フランスのベビーブーマーは1946~1965年生まれをさすので、それ以前の、現在70歳前後ぐらいです。
1981年の調査によると、当時45歳の女性で、大卒女性の18%が独身。
全体では7%の大卒女性が独身なので、若い世代は、大卒でも結婚しているということになります。
これを読んで、頭がクラクラしてしまいました。
今、女性たちがもらしている不満は、フランスでは40年以上前の女性の不満であり、フランスで悩みをわかってくれるのは、おば(あ)さんたちということでしょうか。
ベビーブーマー世代以降については、学歴の問題は明記されていません。
女性の社会進出が当たり前となり、カップルの男女の収入はほぼ等しい、というのが前提です。
カップルの男女の収入がほぼ等しい、というのは、女が男より年下の場合を想定すると、女性のほうが出世している、とも考えられます。
男性の意識も変化し、「自分より給料の高い女はイヤ」という男性は減少しつつあるようです。
さらに、フランスでは、結婚か同棲かを決めるのは女性で、シングルマザーを選択するアングロサクソンの国とは違う特長を示しているそうです。
1994年の調査では、カップル生活を始めるにあたり、結婚からスタートしたのはたったの13%。
同棲は公認となり、ほとんどのカップルが、同棲から関係を深めていきます。
また、働いていない女性は少数派で、その44%が既婚。結婚は仕事を持たない女性のためのものになりつつあるとのこと。
働く女性は、結婚以外の新しいスタイルのカップル生活を模索し、実現しているのです。
さて、このような変化がどうして起きたのか、というと、やはり60年代、70年代のフェミニズム運動が大きく影響しているのだと思います。
子供の頃、日本でもそういうものがありました。が、一過性だったような。。。
大騒ぎだったわりには、今につながっているのかh、明言できません。
大概の人(女性も男性も)は、あれは何だったのだろう、と懐かしむだけで終わっている気もします。
結局、西欧のさまざまなシステムを取り入れようとしても、これだけの開きがある場合、現実に導入するのは無理があるのではないかとさえ思えてきます。
どこから修正したらいいのか、少し過去に立ち戻ってみる必要がありそうです。
(2005.07.29 00:02)