18歳以上の女性を対象にしたフランスの調査によると、「女性の幸せにおいて大切なもの」の1位は「子供」でした。
日本はどうでしょう?
子を持つ母親は、「子供」と答えるかもしれませんが、未婚の女性で「子供」を一番に上げる人は少ないように思います。
フランスの調査では子持ちの割合がわかりませんが、トップは「子供」で、「母親になることは大切か?」の問いにも、87%が肯定しています。
20年前のアンケートでもほぼ同様の結果で、フランス女性は「子供」にポジティブなイメージを持っているようです。
フランスで出生率が上昇したのは、女性たちの「子供が欲しい」という意識と、それに応える少子化対策が合致したからのようです。
フランス女性が子供を望む理由を推測してみると、ひとつは、「大人として成長するために子育ては必要」と考えられているから。
「子を育てるのは自分を高める作業でもある」とどこかで読んだことがあります。
ただ、「子を産んでこそ一人前」という意味ではありません。
養子縁組も盛んで、産まなくても親になる人がいるからです。
あくまでも、「育てる」ことに重点を置いているのです。
もうひとつは、子供が身近で、自分の問題として置き換えられる環境にあること。
ベビーシッターのアルバイトや、兄弟姉妹や友人の子供、ボーイフレンドやガールフレンドの子供など、フランスでは子供に接する機会が多いといえます。
子供と触れることで、イヤな面も見てしまいますが、子供の愛らしさを知り、親になってみたい気持ちがわくのではないかと思います。
「なってみたい」という安易な気持ちで子育てはできないとはしても。
また、子供の悩みなども、友人同士や同僚同士でオープンに語り合うため、子供がいない人でも感情移入しやすいという点もあげられます。
自分に子供がいなくても、友人の息子や娘を預かるといった世話をする人もたくさんいます。
日本では、働く女性の間で子供の話になることなどめったになく、子供は遠い存在に感じられます。
このような状況で、少子化対策がどの程度の成果を上げるのか、疑問です。
(2005.07.17 01:07)