女の敵は女?

育児問題などにしても、意外と女のほうが女に厳しいときがある。

日本では、働く独身女と専業主婦が対立関係になりがちだ。

日本女性を取材したフランス人ジャーナリストの本に、日本の女性誌について興味深いことが書いてあった。日本の雑誌は、OL向けや主婦向けなど、それぞれのライフスタイルごとに細かく分かれている。日本女性には、みんなが目指す女性像がないとのこと。その通りだと思う。

フランスは、お洒落なファッション誌にも、子供の問題はほぼ毎回載るし、一冊で幅広い読者層をターゲットにしている。

その差は何か、というと、フランスの考える女の人生は、状況ごとにパキパキ区切れないということだと思う。

独身でキャリアを磨き、恋人を探し、パートナーと同居して、子供の母親になって…。
再び独身に戻るかもしれないし、出産しないで子持ちになる(相手に子供がいるケースがフランスではすごく多い)こともある。
女の一生は滑らかな(ときには山あり谷ありだけど)ラインで、竹(バンブー)のように、節々で区切れないということではないだろうか。

日本の場合、ケジメが大切だという意識が働くせいか、「私働く人」「私妻やります」「今は母です」みたいな、ひとつの肩書きにこだわるところがある。だから、雑誌も細かくセグメントされるのだけど。

でも、そのために、女性の団結はゆるくなるし、対立もしばしば起こったりする。

「女の敵は女」となりうる可能性も高くなるというわけだ。

何気ない言葉や態度にそれを見て取ったりすると、何とも侘しくなる。

例1) 30後半独身OLと話していたとき、「子供の入学式に会社休む男性社員がいるんだけど、ムカつく!」と言った人がいた。この発言、専業主婦の首を絞めている。

例2) 育児ストレスを解消するために子供を預けて息抜きする女性に対し、公園仲間のママたちが、「それ、ワガママ。母親が子供の面倒を見るのは当然」と非難の視線をなげかける。それでは、どんなに育児対策を導入しても、意味がない。

もしかしたら、最も必要とされているのは「女性の意識改革」かも、と思うときがある。

(2005.05.12 00:00)

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