フランスでも問題になった広告ポスター

先日、妊婦姿のポスターが日本で問題になりましたが、これはフランスの広告の話。
2003年11月27日のレクスプレス誌電子版に、「オイルを塗った艶やかな肌をした、ストリングをはいて官能的に上体をそらした女性の4×3mのポスターがはずされた」という記事がありました。
ポスターはバスの停留所に貼られ、お尻の位置はちょうど子供の鼻の高さにあり、あっけにとられた子供は、「パパ、“私は処女、あなたは?”って何?」と質問したそうです。
以下、記事の要約です。

これを受け、職業の平等と無差別に関する担当大臣は声明を出し、広告業界ははじめて公権力の見地から、性差別の悪化につながらないよう十分注意することに同意した。広告業界は、性や性志向に関して、個人やグループを差別するように感じさせる画像やメッセージを避けなければならない。それにともない、広告主、広告会社およびメディアが運営する広告調査会社(BVP) は、特に職業倫理的秩序において問題となりそうなキャンペーン全てに対し、事前に勧告することにした。BVPの忠告は、テレビにおいて義務づけられているが、活字媒体や、現在論争の的になっているポスターは随意である。

広告業界への非難は増加している。フェミニストから体制完全主義者にいたるまで、さまざまなグループが団結し、広告に異議を唱えている。不適切だと思われるポスターが地下鉄に貼られると、運動家たちが団体でホームに押しかけ、落書きをするほどだ。

2001年には、“広告における女性のイメージ”と題した批判的な報告書が政府に提出された。しかし、現実には、不適切だとみなされる広告は少ない。1~5月の5ヶ月間で不当とみなされた広告は49だけで、全体の0.29%でしかない。「ヌードが問題なのではなく、下品さと暴力が問題なのだ」と専門家は言う。

もうひとつの課題は、子供への影響である。イタリアでは、14歳以下の子供をテレビCMに起用するのを禁止した。イギリスとフランスでは、食生活の悪化を危惧する人々が、お菓子にむさぼりつくCMが、子供の肥満に影響していると批判している。体重は増加し、4~14歳の子供は、一日平均2時間18分テレビを観ているという。社会党のある議員は、子供番組の間のお菓子CMの禁止するように提案した。この案は否定されたが、広告業者はより厳しい規制を強いられた。間食に甘いものを食べてグダグダしている子供のCMなど問題外で、チョコバーと牛乳を取り合わせるといった、さも食事バランスがとれているかのような誤解を生む宣伝も禁止になった。

(2006.09.01 23:49)

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