2010年11月のある土曜日、パリ19区にあるカフェゾイド(Cafézoide)に行ってみました。
ここは、8年前にオープンしたフランス初の子ども専用カフェ。
遊んで、笑って、学べるカフェです。
非営利団体が運営し、プロの教育者(音楽やダンスのインストラクターなど)とボランティアが子どもたちに遊び場を提供しています。
土曜日ということもあり、カフェは子どもたちと親でいっぱい。
驚いたのは、父親「フランスのイクメン」が多いこと。
まあ、育児するパパはフランスではすでに定着しているのですが。
カフェゾイドは、年会費(子ども6ユーロ、大人10ユーロ)と、子どもひとり1回2ユーロの利用料(お金がない子どもは無料)で、1日中遊ぶことができます(昼食もしくは飲み物付)。
ただし、親の食事代は別で4~5ユーロ。
1階はカフェ、2階は広々したスペースになっていて、音楽やお絵かきなどを教えてもらえます。
カフェに集まってくる子どもたちは、国籍も文化もさまざま。
代表のアンヌ=マリーさんは、「ここには暴力はありません。あらゆる国籍、あらゆる文化の子がやってきて、みんなで遊びます。私たちはすべての子どもたちを受け入れます。すべての子どもたちが私たちの子どもなのです」と語ります。
食事はランチのみで、メニューは野菜中心のスローフード。
農業支援をしている非営利団体AMAPから野菜を購入しています。
日本の「子育てサロン」と大きく違うのが、パパの人数が多いこと。
アンヌ=マリーさんは、「ママとパパの人数は同じぐらい。カフェなので、男性も居心地がいいようです。子どもたちと自由に楽しく過ごしてますよ」と笑う。
また、カフェゾイドは、毎月最終金曜日に、このようなカフェをオープンしたい人向けに、運営方法などを教えています。
いまでは、フランスに子ども専用カフェがいくつかあるそうです。
家族の変容、教育崩壊、貧富の格差など、フランスの子どもを取り巻く環境は厳しく、こうしたカフェの存在は、子どもたちにも親にも必要なのだと感じました。
(2013年11月14日)