「慰安婦」は第二次世界大戦時のモラルでも犯罪

8月14日は、23年前に金学順さんが日本軍「慰安婦」だったと名乗りでた日。
朝日新聞の当時の記事に間違いがあっても、「慰安婦」の全面否定にはならない。

今年1月、NHK会長に就任した籾井勝人氏は、「従軍慰安婦は今のモラルでは悪いが、現実としてあった。戦争地域ではどこでもあったこと」ととんでもない発言をした。

「今のモラルでは悪い」といった発言をよく聞くが、戦時中の「慰安婦」も国際法において戦争犯罪である。
1946年10月25日のBC級オランダ・バタビア裁判で、「『強制売春』は戦争犯罪」と判決が下されている。

この事件は、インドネシアのバタビアで「桜倶楽部」を経営していた民間人の青地鷲雄が、憲兵隊の脅しを直接間接に利用して売春を強制したというもの。

裁判記録は、国立公文書館で一般公開されている。

起訴状は次のとおり。

「戦時中の1943年9月頃より1945年9月頃までの間、バタビアにおいて、『桜倶楽部』の経営者として、日本人に伴するため婦女子を募集し、婦女子が解雇を申し出た場合は、直接又は間接に憲兵の威をかり、倶楽部の客に対する売淫を彼等に強制し、その目的のために倶楽部内の一郭に彼らを居住させ、自由に外出を許さず、多くの婦女子が日本人相手の醜業に就かした」

なにより面白いのは、被告人の弁論。
誰かさんたちのように、「慰安婦は必要だった」と主張している。

弁論では、「第一に私は日本軍の慰安所の社会的意義について一言致したい」とし、次のように述べている。

「戦時における占領地においては人倫の紊乱を惹起するということは古今東西に亘ってその例まことに枚挙に遑ないところであります」
「慰安所の設立は戦争に伴う不可避の社会的害悪を最小限度に抑制せんとの趣旨に出たものである」
「戦争に伴う不可避の社会的害悪を最小限度に抑止せんが為の友好的適切な社会的施設というも過言ではない」
「戦争のために夫と別れ子女を抱えて日々の生活に窮し又は自ら堕落して売淫行為を行う婦女子が次第に増加してきた。当時日本人の一般邦人には軍人軍属の為の慰安所の様な施設がなかったために、斯る婦女に近づく者が次第に増加してきて、その結果、社会的害悪を最小限に抑制せんとする見地から一般邦人占用の慰安所の設立ということが邦人間および軍政監部において問題されるに至ったのである」

しかし、バタビア裁判では、こうした弁論はまったく通用せず。
判決文にはこう書かれている。

「これらの事実は、戦時下の法律、慣習を侵害するものであり、戦争中敵国日本の国民により犯されたものであり、また「強制売春」という戦争犯罪に属し、被告は故に1946年官報NO.44第1条(第7項)の罪状に関し有罪と宣告され、判断されるとみなされる」
「被告は売春宿に12歳、14歳というきわめて若い少女を引き取っていたこと、売春婦たちがきわめて高い所得を生むために大変厳しい仕事を義務づけられていたこと、軍法会議はこれらの事実を考慮し、既に検討された法律の他に、1946年官報NO.45第4条にも注目し、被告人は戦争犯罪『強制売春』を犯したものと宣言し、10年の禁固刑を宣告する」

(2014年8月13日)

 

悍ましい過去は消えない…元「慰安婦」たちの声より
2014年5月末に来日した6人の元「慰安婦」は、河野談話後に発見された関連公文書等529点を内閣府に提出した。元「慰安婦」たちは、涙ながらに悲惨な体験を話し、「2度と戦争をしてはいけない、私たちのような犠牲者を出してはいけない」と訴えた。

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「慰安婦」は世界の性暴力被害者救済の原点『日刊ベリタ』2008年6月28日
「少女像」作家が来日講演――日韓合意の「撤去」批判 金曜アンテナ『週刊金曜日』2015年3月4日号

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