2013年12月6日、特定秘密保護法が強制採決された。
こんなときにジェンダーを持ち込むな、と言われそうですが、持ち込んでいいタイミングをいつもはぐらかされるので、こんなときに。
「俺の言う通りにしろ!」と女性に強制する男性はかなりたくさんいる。
DV、セクハラ、ストーカー。
捕まるのは氷山の一角でしかない。最悪の事態になってから、ほんの一部の強制が発覚するだけ。
自分の思い通りに従属させ、所有したがる男性の多くは、捕まらないで普通に生活している。
「言う通りにしなかった」と、強制させられた側が被害を受けるのもよくある話。
強制させられた側は何も悪くないのに。
強制採決は日常生活で起きているよ。
たとえば、今夜の献立を決めるのは私たち女性かもしれない。
でも、もっと重大な決断、「放射能汚染されていても食品を流通させる」といった決断は、男性たちが中心になって行う。
そうした決定によって、汚染食品がスーパーに並び、私たちはそれらを買わざるをえなくなる。
これも強制。
こんな社会だから、国会で難なく強制採決されてしまうのではないかと思う。
「言う通りになるなんてヤダ!」という声は握りつぶされる。
女性が「私の言う通りにしろ!」と強制したら、男性はどうするだろうか?
攻撃する、せせら笑う、逃げる、無視する。
まともに話を聞いてくれる人はどのくらいいるだろう…。
これって、政治家や官僚の反応と同じじゃない?
そもそも、この国では、女性も男性も、女性が「私の思い通りにしろ!」と強制することを想定していない。
逆に、「俺の思い通りにしろ!」と強制する男性は、女性も男性もイメージできる。
本来は、女性も男性も、相手を強制してはいけないのに、こんな風に刷り込まれている。
これって、何なんだろう? そこから考えるべきなのだと思う。
不均衡な力関係が根強く存在するこの国で、民主主義をどう語るのか。
強制されるのは、女性ばかりではない。「女性」を少数民族、障がい者、男性に置き換えてもいい。
でも、強制する側は、たいがい「男性」。置換できないこともないけど、それはレアケースだ。
ジェンダーを持ち込まないで、この国を立て直そうというのは、虫が良すぎる気がしてしまう。
(2013年12月18日)