ラテン気質 不遇の時代? ブラジル対ベルギー 2002

『北海道新聞』夕刊 「ビバ!サッカー」(2002年6月18日)に掲載された記事です。

ブラジルはやっぱり強かった。
ロナウドは絶好調ですね。リバウド、ロベカル、ロナウジーニョなどなど、個人技が光っていました。
対するベルギーもすばらしかった。
惜しいチャンスが何度もあり、本当に残念。
ブラジル選手の喜びの笑顔がいい。反則を犯して謝るベルギー選手がさわやか。
スペイン対アイルランド戦に続き、感動的なゲームでした。
サッカーは、ただ点を取るだけでは、観ていて物足りないものです。
フィギャ-スケートや体操のように、技術力、表現力も評価の対象にしたいぐらい。
派手なパフォーマンスがあってこそ、華やかに盛り上がり、サポーターも夢中になるのです。
でも、大波乱といわれるこの大会、1次リーグで危なげなかったのは、どちらかと言うと、ドイツやスウェーデンのような地味な職人気質のチームでした。
個人技を見せるというより、ダッシュしてゴールを狙う速攻スタイル。
選手の表情は、彫りの深い能面のごとく硬い。
得点を入れることが仕事だというように淡々とボールを蹴り、ゴールを決める。
これが21世紀の地球村で勝ち抜く法則?
確かに、黙々とがんばる人のほうが、着実に勝ち組に入れそうなご時世なのかもしれません。
アクの強いスター選手がそろった強豪チームは、早々に敗れてしまいました。
突然リストラされたエリート社員みたいです。
そして、大胆に遅刻してしまうような常識破りの個性派集団も消されてしまう。
ラテン気質で生き残るのは、難しい時代なのかしら…。
決勝トーナメントは、少々退屈かもと思っていたのですが、それは大きな間違いでしたね。
一回戦のゲームは、どれもエキサイティングです。
一回勝負なだけに、選手たちの燃え方が違います。
これからの展開が楽しみで、やっぱり最後まで目が離せません。

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